「ベランダの床塗装が剥がれてきた…ペンキを塗れば直るかな?」ちょっと待ってください!表面の「トップコート」を塗り替えるだけでは、雨漏りは止まりません。ベランダ防水の仕組み(トップコートと防水層の違い)と、リフォームで選ぶべき「FRP防水」と「ウレタン防水」の特徴をプロが徹底解説します。
ベランダの床にひび割れ発見!そのまま放置して大丈夫?
洗濯物を干すとき、ふと足元を見ると、ベランダの床に「ひび割れ」や「塗装の剥がれ」を見つけてドキッとしたことはありませんか?
「この隙間から水が入って雨漏りしたら大変だ!」
「ホームセンターで防水塗料を買ってきて塗ろうかな…」
そんな風に考える方も多いでしょう。しかし、ここで注意が必要です。屋根雨漏りのお医者さんとして、これだけは最初にお伝えしなければなりません。
「すでに雨漏りしている場合、表面の色を塗り替えるだけでは絶対に直りません」
なぜなら、あなたが目で見ているグレーの床面は、実は「防水層」そのものではないからです。
「トップコート」はただの「日焼け止め」です
ベランダの床は、サンドイッチのような構造になっています。
- 下地(木材やコンクリート)
- 防水層(水を通さない主役):FRPやウレタンなど
- トップコート(表面の保護塗装):グレー色の塗料
一番上の**「トップコート」には、防水性能はほとんどありません。** その役割は、下の「防水層」を紫外線から守るための、いわば**「日焼け止めクリーム」**のようなものです。
【診断】塗り替えだけでOKな場合 vs ダメな場合
【OK】トップコート塗り替えで済むケース
- 表面の色が褪せている。
- 細かいヘアラインクラック(髪の毛ほどのヒビ)がある程度。
→ この場合、防水層はまだ生きています。「トップコート塗り替え」でメンテナンス可能です。
【NG】防水層のやり直しが必要なケース
- 床がブヨブヨ浮いている。
- 大きな亀裂が入っている。
- すでに下の階に雨漏りしている。
→ この場合、日焼け止めを塗っている場合ではありません。中の防水層が劣化しているため、**「防水層のやり直し(改修工事)」**が必要です。
リフォームで選ぶべき2つの防水工法
防水層をやり直す場合、どんな種類があるのでしょうか? 戸建て住宅で使われるのは、主に以下の2つの工法です。
① FRP防水(エフアールピー)
FRP防水は、ガラス繊維のマットを敷き、その上にプラスチック樹脂を塗り固める工法です。ボートや浴槽と同じ素材で、非常に硬くて丈夫な仕上がりになります。
特徴:
- カチカチに硬くなり、耐久性が高い。
- 軽量で、広い面積の施工に向いている。
メリット:
- 耐久性が高く、10年以上持つ。
- 乾燥が早く、工期が短い(1〜2日)。
デメリット:
- 伸縮性がないため、地震の揺れで割れやすい。
- 施工費用がやや高め。
向いている家:
- 新築の木造住宅。
- 広いバルコニーやベランダ。
② ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を流し込んで、ゴム状の膜を作る工法です。柔軟性があり、複雑な形状のベランダにも対応できます。
特徴:
- プニプニとした弾力のあるゴムの層ができる。
- 継ぎ目がなく、どんな形状にもフィットする。
メリット:
- 施工費用が比較的安い。
- 既存の防水層を撤去せずに重ね塗りできる(オーバーレイ工法)。
デメリット:
- 乾燥に時間がかかる(3〜5日)。
- 職人の腕によって仕上がりに差が出やすい。
向いている家:
- リフォーム全般。
- 形が複雑なベランダやコンクリート住宅。
プロの結論:リフォームなら「ウレタン防水」が無難?
新築時はFRP防水が主流ですが、雨漏り修理やリフォームの現場では「ウレタン防水」が選ばれることが多いです。
その理由:
- 既存の防水層を撤去せずに上から重ねて塗ることができるため、廃材が出ず、費用を安く抑えられる。
- 建物が年数とともに動いたり歪んだりしている場合、柔軟性のあるウレタン素材の方が再発リスクを抑えられる。
もちろん、使用頻度や下地の状態によってはFRPの方が良い場合もあります。「うちはどっちがいいの?」と迷ったら、必ず専門家に現地を見てもらいましょう。
まとめ:表面のヒビは「内部崩壊」のサインかも
「ただのペンキ剥がれ」だと思って放置していたら、いつの間にか下の木材が腐って、ベランダの床が抜け落ちそうになっていた…。そんな恐ろしい事例をいくつも見てきました。
防水層の寿命は、一般的に10年〜15年です。
もし新築から一度もメンテナンスをしていないなら、そろそろ限界がきているかもしれません。
「トップコートを塗るだけでいいのか、防水工事が必要なのか」
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