秋の落ち葉と雨樋(あまどい)詰まりが雨漏りを呼ぶ!掃除と防止策を徹底解説

秋になると、紅葉が美しい季節が訪れます。しかし、この時期に増えるのが「雨漏り」の相談です。意外なことに、屋根自体に問題がないにもかかわらず雨漏りが発生するケースが多く、その原因の多くが雨樋(あまどい)の詰まりにあります。

雨樋は、屋根に降った雨水を効率よく建物の外へ排水する重要な役割を担っています。しかし、落ち葉や泥、鳥の巣などが詰まると、雨水があふれ、軒裏や外壁、さらには屋根下地にまで逆流してしまいます。この結果、雨漏りや建物の劣化を引き起こすのです。

この記事では、秋に特に注意すべき雨樋の詰まりの原因、掃除の手順、そして防止策について詳しく解説します。雨樋のメンテナンスを正しく行うことで、雨漏りを防ぎ、建物の寿命を延ばす方法を学びましょう。


🧩 雨樋が詰まるとどうなる?|仕組みと被害の関係

📐 雨樋の基本構造

雨樋は、屋根に降った雨水を効率的に排水するためのシステムです。その基本構造は以下の通りです。

  1. 屋根:雨水が最初に流れ落ちる場所。
  2. 軒樋(のきどい):屋根の端に設置され、雨水を集める水平部分。
  3. 集水器:軒樋から縦樋へ雨水を流す接続部分。
  4. 縦樋(たてどい):雨水を地上まで運ぶ縦方向の排水管。
  5. 地上排水口:雨水を地面や排水溝に流す出口。

このシステムが正常に機能することで、雨水が建物にダメージを与えることなく排水されます。

⚠️ 詰まりが起こす被害例

雨樋が詰まると、以下のような被害が発生します。

部位現象被害
軒樋(のきどい)落ち葉や土砂で溢れる軒天の腐食、外壁の汚染
縦樋(たてどい)排水経路の閉塞雨水の逆流、漏水
集水器ゴミや鳥の巣の詰まり屋根裏側への水の逆流
排水口泥や苔の堆積地盤や基礎への浸水

特に危険なのが「逆流」です。雨水が雨樋からあふれると、軒天や防水紙の裏側に水が入り込み、内部腐食を引き起こします。この状態を放置すると、雨漏りや建物全体の劣化につながります。


🍂 秋に詰まりやすくなる原因

秋は雨樋が詰まりやすい季節です。その主な原因と対策を以下にまとめました。

原因詳細対策
落ち葉庭木や街路樹、公園の樹木から飛来定期清掃+落ち葉ネット設置
枯れ枝・花粉風で運ばれ溜まる軒先ネットや雨樋カバーの設置
鳥の巣春に作られた巣が秋まで残留季節点検+ネット設置
コケ・泥湿気や埃の蓄積高圧洗浄またはブラシ洗浄

特に落ち葉は軽いため風で運ばれやすく、2階屋根の角や谷部、軒樋の曲がり角に集中しやすい傾向があります。


🔍 放置するとどうなる?(雨漏り被害の進行ステップ)

雨樋の詰まりを放置すると、以下のように被害が進行します。

1️⃣ 雨樋詰まりで水があふれる
雨水が正常に排水されず、軒樋からあふれ出します。

2️⃣ 軒天や鼻隠しの木部が湿潤化
あふれた水が軒天や鼻隠しに浸透し、木部が腐食します。

3️⃣ 防水紙や野地板に水が侵入
さらに水が建物内部に入り込み、防水紙や野地板を劣化させます。

4️⃣ 屋根裏の断熱材や天井にシミが発生
断熱材が濡れて性能が低下し、天井にシミが現れます。

5️⃣ 雨漏り・カビ・シロアリ被害が発生
最終的に雨漏りが発生し、カビやシロアリの被害が広がります。

雨樋の詰まりは、建物全体の劣化を引き起こす「見えない敵」です。早めの対策が必要です。


🧰 雨樋掃除の基本手順(自分で行う場合)

【準備するもの】

  • 手袋・長靴・軍手
  • ゴミ袋
  • トング・スコップ・ブラシ
  • 脚立(安定した地面で使用)

【掃除の手順】

  1. 晴天の日に作業する
    雨の日や風の強い日は避けましょう。
  2. 軒樋のゴミや落ち葉を取り除く
    トングや手で丁寧にゴミを取り除きます。
  3. 集水器の中を清掃する
    トングを使って集水器内のゴミを取り除きます。
  4. ホースで水を流し、排水を確認する
    ホースで水を流し、詰まりがないか確認します。
  5. 縦樋の詰まりを除去する
    ワイヤーやパイプクリーナーを使って縦樋の詰まりを取り除きます。

⚠️ 注意点

  • 高所での無理な作業は危険です。2階以上の作業は業者に依頼しましょう。
  • 雨樋の留め具や継手を破損しないよう慎重に作業してください。
  • 足元が不安定な状態でホースを使用すると転倒のリスクがあります。

👷‍♂️ プロに依頼した場合の作業内容と費用

雨樋掃除をプロに依頼する場合の作業内容と費用の目安は以下の通りです。

サービス内容作業内容費用目安(税別)
樋清掃(30坪住宅)手作業+ホース洗浄1〜2万円
高圧洗浄+詰まり除去泥やコケの除去2〜3万円
ネット取付(落ち葉防止)軒樋カバー設置1mあたり1,000〜2,000円
破損補修継手やジョイントの交換5,000〜2万円

💡 補足

落ち葉対策ネットにはアルミ、ステンレス、樹脂製などの種類があり、設置後5年以上清掃不要になるケースもあります。


🧠 雨樋詰まりを防ぐ3つのポイント

① 年2回の定期点検(春・秋)

  • :花粉や黄砂の除去
  • :落ち葉や枝、泥の除去
    → 梅雨や台風シーズン前の予防に最適です。

② 雨樋カバー・ネット設置

  • 風で飛ばされにくい固定式ネットを採用しましょう。
  • メッシュサイズは5mm程度が最適です。

③ 木の剪定と風上側の清掃

  • 落ち葉を出す樹木の剪定や落葉拾いを行いましょう。
  • 特に風上側の庭木は雨樋直撃リスクが高いため注意が必要です。

💬 よくある質問(FAQ)

Q1. 雨樋の掃除はどれくらいの頻度で必要ですか?

→ 年2回(春・秋)が理想です。特に落葉樹が多い地域では秋〜初冬に必ず点検を行いましょう。

Q2. 雨樋の詰まりで火災保険は使えますか?

→ 経年劣化や清掃不足は対象外です。台風や落下物など突発的な損害のみ補償対象となります。

Q3. 雨樋の詰まりで屋根修理も必要になりますか?

→ 水の逆流で野地板や軒天が腐食している場合、補修または葺き替えが必要です。


🧾 まとめ|「樋の掃除=屋根の寿命を延ばす」

ポイント内容
秋は落ち葉で詰まりやすい雨水の逆流で雨漏りが発生
定期清掃+ネット設置が最善メンテナンス周期を半減
放置は外壁や基礎まで被害拡大早期対応で費用削減

「雨樋は排水の命綱」です。たった30分の掃除で、屋根の寿命を5年延ばすことができます。定期的なメンテナンスを心がけ、雨漏りのリスクを未然に防ぎましょう。

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