屋根リフォームを考えるあなたへ
「屋根の修理、カバー工法なら安く済みますよ」と業者に言われて迷っていませんか?確かに費用は安いですが、あなたの家の屋根が「カバー工法をしてはいけない状態」だとしたら…。後悔しないために知っておくべき、カバー工法と葺き替え(ふきかえ)のメリット・デメリット、そしてプロが重視する「下地の寿命」について詳しく解説します。
屋根リフォームの選択肢に迷う理由
「そろそろ屋根のリフォーム時期かな」と思い見積もりを取ると、多くの業者がこう提案してきます。
「カバー工法(重ね葺き)なら、安くて工期も短いのでおすすめですよ!」
100万円以上かかる「葺き替え」に比べて、数十万円安く済む「カバー工法」は非常に魅力的に見えます。しかし、屋根雨漏りのお医者さんとして、これだけは断言させてください。
「安さだけでカバー工法を選ぶと、将来的に家の寿命を縮めることになります」
実は、家の状態によっては、カバー工法を選んではいけないケース(=葺き替え一択のケース)が明確に存在します。この記事では、2つの工法の決定的な違いと、プロが現地調査でチェックしている「判断基準」を包み隠さず公開します。
そもそも「カバー工法」と「葺き替え」は何が違う?
まずは、工事の内容を簡単に整理しましょう。
カバー工法(重ね葺き)
現在の古い屋根を撤去せず、その上から「防水シート」と「新しい屋根材」を帽子のように被せる工法です。
特徴
- 廃材が出ないため、処分費がかからず安上がり。
- 工期が短く、費用も抑えられる。
- ただし、屋根が二重になるため重くなり、耐震性に影響が出る可能性がある。
葺き替え(ふきかえ)
現在の古い屋根をすべて剥がして撤去し、下地を補修してから「新しい屋根」に乗せ換える工法です。
特徴
- 屋根が新品同様になり、下地の腐食も完全に直せる。
- 廃材処分費がかかるため、費用は高め。
- 軽量な屋根材を選べば、耐震性が大幅に向上する。
【比較表】費用・寿命・メリット・デメリット
「結局、どっちが得なの?」という疑問に答えるため、主要な項目で比較しました。
| 比較項目 | カバー工法 | 葺き替え |
|---|---|---|
| 費用 | ◎ 安い(葺き替えの7〜8割程度) | △ 高い(解体・処分費がかかる) |
| 工期 | ◎ 短い(5日〜1週間) | ○ 普通(1週間〜10日) |
| 廃材処分 | ◎ ほぼ出ない | △ 出る(アスベスト含有だと高額) |
| 屋根の重さ | × 重くなる(屋根が2重になる) | ◎ 軽くなる(最新の軽い金属屋根) |
| 耐震性 | △ やや不利 | ◎ 有利(地震に強くなる) |
| 下地の確認 | × できない | ◎ できる(野地板を新品に交換) |
これを見ると、「安くて早いカバー工法」が優秀に見えるかもしれません。しかし、表の一番下、「下地の確認」こそが、最も重要な判断ポイントなのです。
ここが分かれ道!カバー工法が「できない」家
業者がカバー工法を勧める最大の理由は「売りやすい(安い)から」です。しかし、以下の条件に当てはまる場合、良心的な業者なら絶対にカバー工法は提案しません。
致命的NG:下地(野地板)が腐っている場合
屋根材の下にある木の板(野地板)が、雨漏りや結露で腐ってブヨブヨになっている状態です。ここに新しい屋根を被せるのは、「腐ったスポンジの上に家を建てる」ようなものです。
- リスク
釘が効かないため、強風が吹けば新しい屋根ごと吹き飛んでしまう可能性があります。雨漏り歴がある家や、築30年以上ノーメンテナンスの家は、このリスクが非常に高いです。
構造的NG:瓦屋根(日本瓦)の場合
日本瓦などの波打った形状の屋根や、極端に重い屋根には、物理的にカバー工法ができません(※一部例外工法を除く)。この場合は「葺き替え」一択となります。
「耐震性」を気にするなら断然「葺き替え」
地震大国・日本において見逃せないのが「屋根の重さ」です。
カバー工法の場合
- 古い屋根 + 新しい屋根 = 2倍の重さ
屋根が重いと、地震の揺れで家の重心が大きく振られ、倒壊リスクが高まります。
葺き替えの場合
- 古い屋根(重い)を撤去 → 金属屋根(超軽量) = 約1/10の重さ
「あと20年、30年と安心して住みたい」と考えるなら、初期費用はかかっても、屋根を軽くできる「葺き替え」が、結果的に最強の地震対策になります。
あなたの家はどっち?【最終判断チャート】
最後に、どちらを選ぶべきかの目安をまとめました。
【A】カバー工法がおすすめな人
- 築20年〜30年未満で、下地がしっかりしている。
- 過去に大きな雨漏りをしたことがない。
- 屋根材にアスベストが含まれており、撤去費用を抑えたい。
- 「あと10〜15年住めればいい」と考えている。
【B】葺き替え(交換)を選ぶべき人
- 築30年以上経過している。
- すでに雨漏りしており、天井にシミがある。
- 屋根の上を歩くと、フカフカと沈む感覚がある。
- 重い瓦屋根を軽くして、地震に備えたい。
- 「これからの30年」をメンテナンスフリーで安心して暮らしたい。
まとめ:表面だけの提案に騙されないで
「安くできますよ」という言葉は魅力的です。しかし、腐った下地を隠すだけのカバー工法を行えば、数年後に雨漏りが再発し、「結局、全部剥がしてやり直し(費用2倍)」という最悪の結末を迎えます。
大切なのは、「今、屋根の下がどうなっているか」を正しく知ることです。当サイトでは、屋根に登っての調査はもちろん、屋根裏(小屋裏)に入って下地の腐食具合を確認する「内部診断」も無料で行っています。
「うちはカバーで大丈夫?それとも葺き替えが必要?」その答えを、プロの目で正直にお伝えします。

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