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陸屋根の雨漏りに悩んでいる方へ|自分でできる修理DIYの知識と注意点

建物のデザインや使い方を広げる「陸屋根」ですが、実は普通の傾斜屋根に比べて雨漏りリスクが高いことをご存知でしょうか?
陸屋根特有の雨漏りの原因をしっかり理解し、必要に応じてDIYでの修理方法も身につけることで、住まいを長持ちさせることができます。今回は、陸屋根の基本知識からDIY修理方法、さらにプロに依頼すべき判断基準まで、詳しくわかりやすく解説していきます。

目次

陸屋根とは?特徴と雨漏りしやすい理由

陸屋根(ろくやね)とは、一般的な住宅に多い三角屋根(切妻屋根)や片流れ屋根のような傾斜がほとんどない、平坦に近い屋根形状のことを指します。「フラットルーフ」と呼ばれることもあり、見た目のモダンさや、屋上スペースを活用できるメリットから、都市部の住宅や店舗ビルなどでよく採用されています。

しかし、この「平坦さ」が実は雨漏りリスクを高める原因の一つ。通常の屋根なら傾斜によって自然に雨水が流れ落ちますが、陸屋根は排水に頼るしかありません。小雨程度なら問題ないものの、強い雨が続いたり排水口が詰まったりすると、すぐに屋上に水たまりができてしまいます。この水たまりが、防水層の弱点を突いて水の浸入を引き起こすのです。

さらに、陸屋根は太陽の熱をまともに受けるため、防水層の素材が膨張と収縮を繰り返しやすく、表面のひび割れや浮きが発生しやすいのも大きな特徴です。
つまり、デザイン性や利便性の裏に、雨漏りリスクという弱点も潜んでいる、それが陸屋根なのです。

陸屋根の雨漏りの主な原因とは?

陸屋根の雨漏りは、いくつかの典型的なパターンで発生します。まず第一に多いのが防水層の経年劣化です。防水層とは、ウレタン塗膜、アスファルトシート、塩ビシートなどで形成される層のことで、雨水が建物内部に入り込むのを防ぐ役割を担っています。
これらの防水層は、紫外線や気温の変化、風雨にさらされることで、少しずつ傷んでいきます。10年、15年と年月が経つと、ひび割れ、膨れ、剥がれといった劣化現象が現れ、雨水の浸入を許してしまうのです。

また、排水口(ドレン)まわりの不具合も非常に多いトラブル原因です。
落ち葉やゴミがたまって排水がスムーズにできなくなると、屋上全体に水がたまってしまい、防水層の劣化箇所から水がじわじわと浸入してくるのです。特に都市部では、ビル風に乗ってゴミやほこりが飛んできやすいため、意外と短期間で詰まってしまうこともあります。

さらに、**構造クラック(コンクリートのひび割れ)**も無視できません。建物は常に微細な動きをしており、地震や乾燥・湿気の影響でコンクリートに細かい亀裂が入ることがあります。このクラックを通して水が侵入し、やがて室内まで到達するケースも少なくないのです。

陸屋根の雨漏り修理はDIYできる?

「プロに頼むと高そうだし、できれば自分で直したい!」と思う方も多いでしょう。実際、陸屋根の雨漏りでも、軽度なトラブルであればDIYで対処可能です。
たとえば、防水層の表面にできた小さなひび割れや、ドレン周辺の軽微な隙間であれば、市販の防水補修材やシーリング材を使って自分で修理することができます。

しかし注意が必要なのは、被害の範囲が広い場合や、原因が特定できない場合です。
見えているひび割れを直しても、別の箇所から水が回り込んでいる場合、DIYでは解決できず、むしろ被害を拡大させてしまうこともあります。

また、DIYにチャレンジする場合でも、防水材の選定、作業環境(晴天続きの期間を選ぶ)、下地処理の丁寧さなど、意外と専門的な知識と手間が必要です。
簡単そうに見えても、慎重さと準備が大事な作業であることを覚えておきましょう。

DIYで行う陸屋根の雨漏り修理手順

それでは、具体的にDIYで修理する場合の手順を、さらに詳しく見ていきましょう。大切なのは、「あわてず、段階を踏んで」作業することです。

1. 雨漏り箇所の特定と状況確認
まず、雨漏りしている部屋の天井や壁にできたシミから、推定される屋上の位置を割り出します。ただし、必ずしも真上から漏れているとは限らないので、広めに範囲を見ておきましょう。特に、ドレン周辺、立ち上がり(壁際)、古い防水層の端部などは重点的にチェックします。

2. 作業前の下地処理(掃除・乾燥)
屋上に上がったら、作業予定箇所をワイヤーブラシや雑巾を使って徹底的に清掃します。砂ぼこりやコケが付着していると、補修材がうまく密着しません。水洗いした場合は、しっかり乾燥させる時間も確保しましょう。

3. 補修材の塗布
亀裂や穴が見つかったら、防水パテやウレタンシーリング材を使って補修していきます。コーキングガンで押し出しながら、ヘラで均一に押さえつけ、空気が入らないように注意します。ひび割れが広がっている場合は、クロス(補強布)を併用するのも効果的です。

4. 仕上げと乾燥チェック
補修材が完全に乾くまで、作業箇所には触れず、雨にも濡らさないように注意します。乾燥後、防水スプレーを全体に吹きかけて防水性を高めておくと、より安心です。最後に、人工的に水を流して漏れが止まったかテストするのもおすすめです。

陸屋根のDIY修理で失敗しやすいポイント

DIY修理に挑戦する際によくある失敗例を押さえておきましょう。失敗を防ぐには、事前の「準備」と「理解」がカギになります。

まず、漏水箇所の特定ミスが非常に多いです。目に見えるシミの位置が実際の浸入点とは異なる場合、見当違いの場所だけを直しても改善しません。広範囲に水をかけてテストしながら、本当の浸入口を見極める慎重さが必要です。

次に、下地処理不足です。見た目ではきれいに見えても、微細なゴミや湿気が残っていると、補修材がすぐに剥がれてしまいます。
また、材料選びの失敗も多く、一般用の防水スプレーだけでは屋上の過酷な環境には耐えきれないことも。屋根・屋上専用の商品を選びましょう。

さらに、作業タイミングにも注意が必要です。雨が降る直前、湿度が高い時期に施工すると、乾燥不良を起こし、かえって状態を悪化させるリスクもあります。晴天続きが予想される時期を選び、計画的に作業を進めましょう。

陸屋根の雨漏り修理を業者に依頼すべき場合とは?

DIYで対応できないと感じた場合は、迷わず専門業者に相談するのがベストです。
特に以下のような場合は、DIYでは手に負えず、プロの技術が必要になります。

  • 屋上全面にわたる防水層の剥離、膨れが目立つ
  • コンクリートの深刻なクラックが発生している
  • 長年放置してしまい、内部腐食や断熱材の劣化が疑われる
  • 何度補修しても再発してしまう

プロの業者であれば、防水層の全面改修(ウレタン防水、シート防水、FRP防水など)や、下地補修を含めた抜本的な修理が可能です。
多少費用はかかりますが、「一度きちんと直しておけば、長年安心して暮らせる」という大きなメリットがあります。

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