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雨漏りの見えない原因を特定する「赤外線調査」とは?その仕組みとメリットを徹底解説

住宅にとって、雨漏りはとても厄介な問題です。目に見える被害が出てから気づくケースが多く、対応が遅れることで修理費用が膨らんでしまうこともあります。しかし、見た目ではわからない「内部の水の通り道」を突き止めるのは簡単ではありません。そこで近年注目されているのが、「赤外線調査」です。この調査方法は建物を壊さずに雨漏りの原因箇所を高い精度で特定できるため、住宅の保全や修理の計画に大きく役立ちます。

この記事では、赤外線調査とはどのようなものなのか、その原理やメリット、実際の調査の流れ、注意点、費用の相場などを、一般消費者の目線で丁寧に解説していきます。これから雨漏り対策を検討している方や、なかなか原因が見つからずお困りの方にとって、有益な情報となるよう構成しています。

目次

雨漏り調査に赤外線カメラを使う理由

雨漏りが起きた際に、まず問題になるのが「どこから水が入ってきているのかがわからない」という点です。天井に染みが出た、壁紙が剥がれてきた、床に水がたまっていた…こうした症状が出ていても、その原因となる侵入口が明確にわからなければ、適切な修理ができません。さらに、誤った箇所を修理してしまえば、費用だけがかさみ、再び雨漏りが発生してしまうという最悪のケースも考えられます。

従来の調査方法では、屋根や外壁のひび割れを目視で確認したり、水をかけて浸入箇所を探ったりする「散水試験」が一般的でした。しかし、こうした手法は建物に水をかけ続ける必要があり、さらに目に見える範囲に限定されてしまいます。その結果、壁の中や屋根裏など、視認できない場所にある雨漏りの原因には対応しきれないことが多いのです。

赤外線カメラを使った調査は、この「見えない部分の雨漏り」を可視化できる点で画期的です。赤外線カメラは温度の違いを画像として映し出す装置で、水分を含んだ箇所は乾燥している部分よりも温度が異なるため、その温度差を利用して雨漏り箇所を特定することが可能になります。建物を壊さずに内部の状態がわかるため、調査の精度が格段に向上します。

赤外線調査の具体的な仕組みと原理

赤外線カメラは、目には見えない「赤外線=熱エネルギー」を感知して、その分布を色の濃淡として画像に映し出す装置です。すべての物体は温度に応じた赤外線を放射しており、建物の外壁や内装も例外ではありません。雨水がしみ込んだ場所は、熱の伝わり方が変化するため、通常の乾燥した部分とは異なる熱のパターンを示すようになります。

たとえば、屋根裏に雨水が浸入している場合、その部分だけが冷たくなったり、周囲に比べて温度が上がりにくくなったりします。赤外線カメラでその温度分布を撮影すれば、外見ではわからない“異常な温度のエリア”をはっきりと確認できるのです。

また、赤外線調査は建物全体をスキャンすることも可能なため、広範囲にわたる調査にも向いています。壁全体や天井一面を一度に把握できるため、「一部だけでなく構造全体に異常があるのではないか」といった不安を抱える方にも安心です。最新のカメラでは感度も高く、数℃の温度差でもはっきりと映像に反映されるため、より精密な診断が可能になっています。

ただし、赤外線画像の読み取りには経験が必要です。水分による冷えやすさや熱伝導の違いを正しく読み解くには、建物の構造に対する理解と、天候や時間帯の変化に対応できる判断力が求められます。そのため、専門的な知識を持った業者に依頼することが重要になります。

一般的な雨漏り調査との違い

従来の雨漏り調査では、主に「目視」「散水試験」「打診調査」「発煙調査」などが使われてきました。目視では屋根材や壁のひび、瓦のズレなどをチェックし、散水試験ではホースなどで実際に水をかけてどこから浸入するかを確かめます。打診調査では外壁や屋根材を叩いて浮きや剥がれを確認し、発煙調査は煙を使って通気口や隙間からの漏れを検出するという方法です。

これらの手法は、建物の劣化をある程度確認するには有効ですが、根本的な原因箇所を特定するには限界があります。特に散水試験は、再現性に頼る部分が多く、実際の雨と同じ状況を作れなければ、正しい診断ができません。また、建物に直接水をかけ続けるため、状態を悪化させてしまう危険性もあります。

赤外線調査は、これらの方法と異なり、建物を傷つけることなく、内部の温度差によって問題箇所をあぶり出すことができます。作業も短時間で済むうえ、結果は画像として保存できるため、オーナーや管理会社との共有もしやすいという利点があります。修理前の判断材料として、非常に有効な手段です。

赤外線調査が活躍するケースとは?

赤外線調査が特に効果を発揮するのは、次のようなケースです。まず最も代表的なのが、「何度修理しても雨漏りが止まらない」という事例です。この場合、目視や簡易的な方法では原因の箇所を正確に特定できていない可能性があります。赤外線調査を行うことで、室内に現れている水の痕跡が、どこから流れ込んできたものなのか、そのルートを可視化することができ、根本的な解決に導くことができます。

また、マンションやアパートなどの集合住宅では、漏水の責任の所在を明確にする必要があります。例えば、上階からの水漏れなのか、壁を伝ってきた雨漏りなのかを判断するのは難しいですが、赤外線調査で水の伝播範囲や温度分布を可視化すれば、原因を第三者にも説明しやすくなります。

さらに、雨漏りが起きていない場合でも、建物の定期点検として赤外線調査を導入することで、劣化の早期発見につながります。屋根裏や外壁のコーキングが劣化しているなど、目視では気づきにくい異常を事前に察知することができ、予防的な補修が可能となります。長寿命住宅を目指すなら、こうした「予防保全」の視点が重要です。

調査費用の目安と費用対効果

赤外線調査の費用は、建物の規模や調査の範囲、使用する機材の種類によって変動しますが、おおよそ3万円から10万円程度が相場です。これを聞くと、「少し高いな」と感じる方もいるかもしれません。しかし、正確な診断ができずに無駄な修理を何度も繰り返すことを考えれば、この費用はむしろ“安い投資”と言えるでしょう。

例えば、雨漏りの原因が不明確なまま天井や壁を壊してしまった場合、内装工事や塗装の費用が余分にかかります。さらに雨水が柱や断熱材に浸透していれば、シロアリの被害やカビの発生といった二次的な問題も起こり、修理費は一気に跳ね上がってしまいます。赤外線調査でピンポイントに原因を特定できれば、被害の拡大を防ぎ、余計な出費も避けることができます。

また、調査結果は画像で残せるため、火災保険などの保険申請時に「客観的な証拠」として提出することができるというメリットもあります。

赤外線調査を依頼する際の注意点

赤外線調査は非常に便利な方法ですが、調査を行う業者の技術力によって結果の正確性が左右されます。赤外線画像は専門知識がなければ誤解を生む恐れもあるため、実績が豊富な業者に依頼することが大切です。調査だけでなく、報告書の質や、修理提案の内容まで確認し、信頼できる業者かどうかを判断しましょう。

また、赤外線調査は天候の影響を受けやすく、雨が降った直後や、日差しが強い日中などには正確な温度差が得られないこともあります。調査の実施時間や気象条件の調整も必要となるため、あらかじめ日程や条件を打ち合わせておくことが成功の鍵となります。

まとめ:赤外線調査は雨漏り解決の強力な味方

雨漏りは「どこから水が入ってくるのか」を特定できなければ、どんなに修理しても再発のリスクが残ります。そうした見えない原因を非破壊で探り出せる「赤外線調査」は、精度が高く、安全で、なおかつ信頼性のある手法です。専門業者に依頼することで、確かなデータに基づいた修理計画を立てることができ、無駄な工事や費用を避けることができます。

建物の健康を守るためにも、早期発見・早期対処が重要です。雨漏りが心配な方、過去にトラブルがあった方は、ぜひ一度赤外線調査を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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