訪問販売の「漆喰が剥がれてますよ」に惑わされないために
築20年〜30年の瓦屋根の家に住んでいると、ある日突然インターホンが鳴り、「近くで工事している者ですが、お宅の屋根の漆喰が剥がれてますよ。このままだと雨漏りします」といった訪問販売業者の言葉に不安を感じたことはありませんか?
突然の指摘に驚き、「雨漏りするなら早く直さないと!」と焦って契約してしまう方も少なくありません。しかし、屋根修理のプロとして断言します。その場で契約するのは絶対に避けてください。
訪問業者が指摘する「漆喰の剥がれ」の多くは、今すぐ雨漏りに直結するような緊急事態ではないことがほとんどです。この記事では、悪質な業者に騙されないために知っておくべき漆喰の正しい知識と、本当に修理が必要な「危険なサイン」について詳しく解説します。
漆喰(しっくい)とは?その役割と寿命
漆喰の基本的な役割
漆喰とは、瓦屋根の頂上部分にある「棟瓦(むねがわら)」の土台を守るために塗られている白い壁材のようなものです。多くの人が誤解していますが、漆喰は瓦を接着しているわけではありません。その主な役割は、内部の「土(葺き土)」が雨風で流出しないようにするための「フタ」です。
瓦屋根は、瓦そのものが雨水を防ぐ構造になっていますが、棟部分は特に雨風の影響を受けやすいため、漆喰が重要な役割を果たしています。
漆喰の寿命
漆喰の寿命は、環境や施工の質によって異なりますが、一般的には約20年前後とされています。築20年以上の家では、漆喰の劣化が見られることが多くなりますが、劣化の程度によってはすぐに修理が必要ない場合もあります。
騙されないために知っておきたい「安全な劣化」と「危険な劣化」
訪問業者は、どんな小さな劣化でも「大変だ!」と大げさに言うことがあります。しかし、プロの目から見れば、漆喰の劣化には明確なレベルの違いがあります。ここでは、劣化の状態を2つのレベルに分けて解説します。
レベル1:【様子見でOK】表面のひび割れや薄い剥がれ
漆喰の表面に細いヒビが入っていたり、表面が薄く剥がれて白っぽい粉が落ちてきたりする状態です。このような劣化は見た目は悪いものの、内部の葺き土はまだ守られているため、すぐに雨漏りに直結するわけではありません。
プロの診断
「経年劣化ですね。今すぐ雨漏りする心配はありません。次の定期点検(数年後)で補修を検討しましょう」
このような診断が下される場合、焦って修理をする必要はありません。
レベル2:【危険!要修理】中の「土」が見えている
漆喰がごっそり崩れ落ち、中から茶色の土(葺き土)が露出している状態です。この場合、雨水が直接葺き土に触れるため、土が流れ出して棟瓦がズレたり、内部に雨水が侵入したりする危険性があります。
プロの診断
「これは危険です。土が流れて棟瓦がズレたり、内部に雨水が侵入したりする直前です。早急に修理が必要です」
このような状態では、放置すると雨漏りや屋根全体の崩壊につながる可能性があるため、早めの修理が必要です。
訪問業者の典型的な手口と注意点
訪問販売業者の目的は、屋根を直すことではなく、契約を取ることです。以下のような手口には注意してください。
「無料で点検します」と屋根に上がりたがる
訪問業者が「無料で点検します」と言って屋根に上がりたがる場合、注意が必要です。一度屋根に上がらせてしまうと、わざと瓦を割ったり、漆喰を壊したりして「修理が必要」と写真を撮る悪質業者もいます。絶対に屋根に上げないようにしましょう。
「今ならキャンペーンで半額です」と急かす
まともな業者は、今日契約しないと半額にならないような見積もりを出すことはありません。急かされると冷静な判断ができなくなるため、注意が必要です。
「このままだと家が腐ります」と過剰に不安を煽る
確かに漆喰の劣化を放置するのは良くありませんが、今日明日にどうこうなる問題ではありません。不安を煽る言葉に惑わされないようにしましょう。
本当に修理が必要な場合の正しい方法
もし本当に修理が必要な状態だった場合、修理方法は大きく分けて2つあります。
漆喰詰め直し(つめなおし)工事
対象
内部の土がまだしっかりしている場合。
内容
古い漆喰を取り除き、新しい漆喰を上から塗り直します。
費用
比較的安価で済むため、軽度の劣化には適した方法です。
棟瓦積み直し(つみなおし)工事
対象
内部の土が流出して、棟瓦自体がズレたり歪んだりしている場合。
内容
棟瓦を一旦すべて解体し、土台(南蛮漆喰など)から作り直して、瓦を積み直します。
費用
詰め直しよりも高額になりますが、耐久性は新品同様になります。
まとめ:不安になったら地元の専門店へ相談を
訪問業者に「漆喰が剥がれている」と言われても、慌てる必要はありません。まずは落ち着いて、信頼できる地元の屋根専門業者に「セカンドオピニオン」を依頼してください。
「本当に今すぐ修理が必要なのか?」 「もし直すなら、どんな方法が最適なのか?」
当サイトでは、ドローンを使った屋根点検も行っています。業者が屋根に上がって不正を働く心配もなく、お客様と一緒にモニターで屋根の状態を確認できます。
訪問業者に指摘されて不安な方は、一度ご相談ください。プロの目で正しく診断し、大切な家を守るお手伝いをいたします。

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